【修正版】ラニが成し遂げたかったこととは何なのか?

 エンディングに関わる話なので未プレイの方はご注意を。

ベースとなっている大いなる意志の話は【修正版】ラニの律と生命の樹と邪悪の樹を参照してもらうと良い。

ラニの律

もう少し、話しておこうと思ってな

私の律について


私の律は、黄金ではない。星と月、冷たい夜の律だ

…私はそれを、この地から遠ざけたいのだ


生命と魂が、律と共にあるとしても、それははるか遠くにあれば良い

確かに見ることも、感じることも、信じることも、触れることも

…すべて、できない方がよい


だから私は、律と共に、この地を棄てる

それでも、付いてきてくれるのだろう?ただ一人の、私の王よ

ラニの律は黄金ではなく、星と月、冷たい夜の律であるという。
まず、「私の律は、黄金ではない」という点だが、黄金が何を指しているのか色々な解釈できる。
単に黄金律である可能性もあれば、黄金樹関係の諸々を含んだ意味という可能性もある。

ここで出てくる黄金は単なる黄金律ではなく、大いなる意志の思惑を意味していると考えるとラニの行動原理を説明できるのではないかと考えた。
大いなる意志の思惑を単に黄金律と呼ぶこともできるのだが、狭義での黄金律は人々に恩恵を与える側面しかないように思われる。
大いなる意志は超越存在的な扱われ方をされているので、その思惑はもはや狭間の地の法則――律なのである。

ラニは大いなる意志が両方の力の流れを使って狭間の地で暗躍していることに気づいていたのだと思われる。

ラニが遠ざけたいと言っている「それ」は大いなる意志自身か、大いなる意志の思惑(律)なのかははっきり断定できない。
ただ、大いなる意志が肉体を持っているかさえ怪しい上に、次元が違う超越存在なので大いなる意志という存在自体が律でもあるという考えもできる。
そういった意味を含めて「大いなる意志」という名称なのだと自分は考えてみた。
一旦、律は大いなる意志を指していると考えて考察を進める。

星と月生命と魂はページを切り分けた。
正直上手く解釈できていないが現状であるが、ラニのルーツに関わる点やカーリア王家と魔術学院レアルカリアの歴史は事実として捉えることができる。
星と月、生命と魂と大いなる意志の関係は他の概念を考察しないといけないと思っている。
この部分は狭間の地にある生命と魂たちを大いなる意志から引き剥がすという文脈であることに留める。

「生命と魂が、律と共にあるとしても、それははるか遠くにあれば良い」で説明される律もそれも大いなる意志と解釈すると腑に落ちる点がある。
「確かに見ることも、感じることも、信じることも、触れることも」できない方が良いというのは大いなる意志の手のひらで恩恵と搾取を繰り返すことなどできない方がよいという解釈になるのだ。

「だから私は、律と共に、この地を棄てる」は以前2通りの解釈をした。

  • 律を伴って、この地を棄てる
  • 律とこの地の2つを棄てる
以前は後者であると考えていたのだが、律が大いなる意志だとすると1つ引っかかる点が生まれてしまうのである。
ラニは大いなる意志をこの地から引き剥がそうとしたが、大いなる意志をこの地に棄てていくようなキャラクターではないと思うからである。
指輪に刻まれているようにラニは最後の計画を孤独に実行するつもりだった。
従者を連れて行く気はなかったのである(結果的にはプレイヤー以外亡くなってしまったが)
ラニの従者への接し方を見ると大いなる意志を狭間の地に棄ててラニだけ逃げるという選択は少し不自然に感じるところがある。
従者が生きていれば、狭間の地で残された従者が大いなる意志に搾取されるからである。

律である大いなる意志を伴ってこの地を棄てると解釈すれば、ラニは自らを犠牲に狭間の地を救うという結論になる。

律が大いなる意志を指していると考えられる別の根拠としては、「エルデの追憶」より
黄金樹に刻まれた
エルデの獣の追憶

それは、大いなる意志の眷獣であり
律たる概念の具現であった

とあるので、大いなる意志は自分の思惑をエルデンリングとして具現化したと言えるだろう。

ラニが大いなる意志と敵対していたのは、ラニが探していた「指殺しの刃」からわかる。

永遠の都、ノクローンの秘宝
遺体から生まれたとされる刃

永遠の都の大逆の証であり
その滅びを象徴する、血濡れた呪物

運命なき者には振るうことはできず
大いなる意志と、その使いたちを
傷つけることできるという


最終的にラニは一人ではなく王であるプレイヤーと共に計画を実行する。
「それでも、付いてきてくれるのだろう?」というのはプレイヤーの覚悟の確認であろう。

星の世紀

…すべて、終わったのだな
私は誓おう
すべての生命と、すべての魂に

これよりは星の世紀

月の理、千年の旅
すべてよ、冷たい夜、はるか遠くに思うがよい 
恐れを、迷いを、孤独を
そして暗きに行く路を
 
 

さあ、共に行こう


星の世紀ENDでは、エルデンリングの幻視の器である壊れかけのマリカを光に還し、黒く冷たい月が出現するという表現がされる。

大いなる意志からの恩恵を受けることを止めることで冷たい夜がやってくるのだろう。
そして、搾取を行っていた黄金樹はすでに燃えている。

狭間の地は大いなる意志の思惑から逃れた本来の形に戻るだろう。

蛇足

ラニが大いなる意志と共にこの地を棄てたということは、エンディングで出てきたあの月は大いなる意志である可能性がある。

ゲームプレイ中も大きな月を見上げることができるが、ずっと大いなる意志に見られていたのかもしれない(ブラッドボーンの聖歌隊的発想)

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