【修正版】ラニの律と生命の樹と邪悪の樹
ラニが成し遂げたかったこととは何なのか？の考察のインスピレーションとして使った生命の樹と邪悪の樹の話をまとめた。
ゲームでは手に入らない情報は区別して考察したい派なので、ページを分けて考察していきたいと思う（モチーフから着想を得たり、これがモチーフだったらより重厚な設定になるなとかは大好物）
生命の樹と邪悪の樹
生命の樹と邪悪の樹自体の説明は以下のページを参照。
ラニの律との関係
結論からいうとラニの律は黄金律である生命の樹でもなく、その逆である邪悪の樹でもない方法であったということである。
むしろ、そのどちらでもない方法を取ったことがラニらしいという結論になる。
それぞれが対応するものについて
玉露さんの考察：黄金樹の役割とエルデンリングの表す真の意味。狭間の地の収穫者、大いなる意志 がわかりやすいのだが、タイトル画面に表示される方向のエルデンリング（正位置のエルデンリングと呼称する）はエルデンリング――大いなる意志からの恩恵を示し、その逆（逆位置のエルデンリングと呼称する）は黄金樹――大いなる意志の搾取を示している。
- 大いなる意志からの恩恵を生命の樹
- 大いなる意思の搾取を邪悪の樹
本考察ではこのように考えてみる。
両方の樹
モチーフとして使われていそうなこと
- エルデンリングの意匠と似ている点
- 樹という概念
- エネルギーの流れる方向
正位置のエルデンリングと生命の樹
モチーフとして使われていそうなこと
- 作中で表現されるエルデンリングそのもの
- 中心のティファレト（美）は、色は黄で金属は金で惑星は太陽を司る
- 生命の樹を3本の柱に見立てるのは、デミゴッドの生まれが3種類あることにリンクする
- 玉露さんのエルデンリングを構成する9個の大ルーンとデミゴットたちとの関係を参照
- すべての原因（もと）なき原因（もと）が大いなる意志である可能性
- 生命の樹は上に存在する神から下にいる人に恩恵が与えられるという考えがある
- エネルギーの方向性は上から下（↓）
- 逆に下のものが上に昇ることは神に近づくという意味があり、黄金の夜明け団ではその位階制度を生命の樹に見立てていたという
逆位置のエルデンリングと邪悪の樹
モチーフとして使われていそうなこと
- 黄金樹
- 「カーリアの逆さ像」というアイテムをラニがくれる
- カーリアの書院の天球儀の後ろに黄金律のレリーフが彫ってあり、そこで逆さ像を使う
- わざわざ使用ムービーまで用意されている
- 生命の樹の逆なのでエネルギーの方向性は下から上（↑）
まとめ
大いなる意志は正位置のエルデンリングとして表現されるエルデンリングと逆位置のエルデンリングで表現される黄金樹の両方を扱っているという考えである。
大いなる意志が人から見て悪なのかは現時点では確定して考察できない。
祝福を餌にして黄金樹による搾取を目的としている悪なのかもしれないし、日本の神のように荒魂・和魂のような二面性があるだけかもしれない。
ただ、大いなる意志は思惑があって永遠の都を滅ぼしたようなので人から見て悪の可能性がかなり高そうである。
大逆というからには逆らわれたから滅ぼしたと考えるのが自然だろう。
また、人から見れば正位置のエルデンリングは生命の樹で、逆位置のエルデンリングが邪悪の樹なのだが、大いなる意志から見ると逆になるのである。
狭間の地からエネルギーを吸い上げる黄金樹が大いなる意志にとって生命の樹であるし、逆に祝福として分け与えてしまうのは邪悪の樹と言えるのかもしれない。
ラニはカーリアの末裔なので、狭間の地が大いなる意志の手のひらで踊らされていることに気づいていたと考える。
考察
この考えをもとにラニが成し遂げたかったことをを考えてみる。
もう少し、話しておこうと思ってな私の律について私の律は、黄金ではない。星と月、冷たい夜の律だ…私はそれを、この地から遠ざけたいのだ生命と魂が、律と共にあるとしても、それははるか遠くにあれば良い確かに見ることも、感じることも、信じることも、触れることも…すべて、できない方がよいだから私は、律と共に、この地を棄てるそれでも、付いてきてくれるのだろう？ただ一人の、私の王よ
「私の律は、黄金ではない」という点だが、黄金が何を指しているのか色々な解釈できる。
単に黄金律である可能性もあれば、黄金樹関係の諸々を含んだ意味という可能性もある。
大いなる意志は正位置のエルデンリングとして表現されるエルデンリングと逆位置のエルデンリングで表現される黄金樹の両方を扱っているとするならば、この黄金は大いなる意志の思惑を意味しているとも解釈できる。
大いなる意志の思惑を単に黄金律と呼ぶこともできるのだが、狭義での黄金律は人々に恩恵を与える側面しかないように思われる。
大いなる意志は超越存在的な扱われ方をされているので、その思惑はもはや狭間の地の法則――律なのである。
ラニは大いなる意志が両方の力の流れを使って狭間の地で暗躍していることに気づいていたのだと思われる。
ラニが遠ざけたいと言っている「それ」は大いなる意志自身か、大いなる意志の思惑（律）なのかははっきり断定できない。
ただ、大いなる意志が肉体を持っているかさえ怪しい上に、次元が違う超越存在なので大いなる意志という存在自体が律でもあるという考えもできる。
そういった意味を含めて「大いなる意志」という名称なのだと自分は考えてみた。
一旦、律は大いなる意志を指していると考えて考察を進める。
「生命と魂が、律と共にあるとしても、それははるか遠くにあれば良い」で説明される律もそれも大いなる意志と解釈すると腑に落ちる点がある。
生命と魂と大いなる意志の関係は坩堝等の他の概念を考察しないといけないと思っている。
この部分は狭間の地にある生命と魂たちを大いなる意志から引き剥がすという文脈であることに留める。
「確かに見ることも、感じることも、信じることも、触れることも」できない方が良いというのは大いなる意志の手のひらで恩恵と搾取を繰り返すことなどできない方がよいという解釈になる。
「だから私は、律と共に、この地を棄てる」は以前2通りの解釈をした。
- 律を伴って、この地を棄てる
- 律とこの地の2つを棄てる
以前は後者であると考えていたのだが、律が大いなる意志だとすると1つ引っかかる点が生まれてしまうのである。
ラニは大いなる意志をこの地から引き剥がそうとしたが、大いなる意志をこの地に棄てていくようなキャラクターではないと思うからである。
指輪に刻まれているようにラニは最後の計画を孤独に実行するつもりだった。
従者を連れて行く気はなかったのである（結果的にはプレイヤー以外亡くなってしまったが）
ラニの従者への接し方を見ると大いなる意志を狭間の地に棄ててラニだけ逃げるという選択は少し不自然に感じるところがある。
従者が生きていれば、狭間の地で残された従者が大いなる意志に搾取されるからである。
律である大いなる意志を伴ってこの地を棄てると解釈すれば、ラニは自らを犠牲に狭間の地を救うという結論になる。
ただし、最終的にラニは一人ではなく王であるプレイヤーと共に計画を実行する。
「それでも、付いてきてくれるのだろう？」というのはプレイヤーの覚悟の確認であろう。
まとめ
正位置のエルデンリングと逆位置のエルデンリングである黄金律という発想から、ラニの話に出てくる「律」が大いなる意志を指しているという形で考察してみた。
以前のレナラの満月を絡めた考察よりも文章的なつながりが不自然ではない気がする。
ラニのキャラクター性からも逃げ出すような結末に少し違和感を感じていたのだがこの解釈だとその点を解決できる気がする。
そして、大いなる意志と共にこの地を棄てたということは、エンディングで出てきたあの月は…
その点については、もう少し情報を集めてから考察してみたいと思う。
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