ELDEN RINGの設定のモチーフについて
ELDEN RINGには何かをモチーフとしたような設定があるので、自分が気づけたものや関連してたら面白そうだなと思ったものを引用しておく。
引用元は、山北篤.魔法事典.新紀元社.1998
このページで引用の形で書かれているものはすべて上記の書籍のものである。
栄光の手
絞首刑になった囚人の左手(右手という説もある)を切り取り、儀式を施し、燭台に仕立てたもの。これを燭台にすると、燭台を持つものは目に見えなくなるとされる。また別の伝承では、その燭台を家のそばに置くと、その家の人間はぐっすりと眠り込んでしまし朝まで目をさますことはないとも言われる。
オーディン
荒ぶる天候をつかさどる、北欧神話の主神。隻眼をつば広の帽子で隠し、豊かな顎ヒゲをたくわえた老人として描写される。勇敢な戦士を守護する神として知られているが、嵐の神ゆえの気まぐれな面があり、ときには平気で勇士から加護を取り上げ、戦場で名誉の死を与える。このようにして死んだ勇士の魂(エインヘリャル)は「戦いの乙女」ワルキューレに導かれてヴァルハラに登り、永遠の生命を与えられた。オーディンはこれらの勇敢なる魂を集めて、神々の黄昏という終末戦争の勃発に備えていたのである。(中略)オーディンは、イグドラシルの枝で自分から首を吊ってルーンの秘密を解き明かし、宿敵である巨人の国ヨツンヘイムに潜入して、呪歌ガルドルと魔法の杖ガンバンテインを獲得した。2人目の后となった女神フレイアに頭を下げ、ヴァン神族のセイズ魔術を学んだ。イグドラシルの根っこにわく智慧の泉を飲んで英知を得るため。守護者である巨人ミーミルにみずからの片目をくりぬいて差しだしもした。
ガンド魔術
北欧の伝統的な魔術の一種。アサ族が起源とされる。ガンド魔術は、脱魂(幽体離脱)――すなわち、肉体から魂を分離し自由に飛翔せしめる技術である。北欧のヴォルヴァたちは、猪や狼、垣根の横棒などに乗って空を飛んだとされているが、それは実際に肉体が空を飛んだわけではなく、魂が肉体を抜けでて、諸方をさすらったことを示している。また、北欧の物語には、しばしば狼や熊に変身する戦士、巫女の話が登場するが、それらの多くはこのガンド魔術の力を利用していた。肉体から離れた魂が、狼や熊といった動物(をかたどった)精霊と合一し、さまざまな現実操作の力を得るというのは、世界中にみられる脱魂魔術の代表的技法である。
フレイアを参照。
金
不変なもの、聖なるもの、太陽のイメージをもつ金属で、護符などにも多用された。また、その不変の力を取り入れるために、魔法薬の材料に使われることが多い。
銀
月や女神を象徴とする金属で、魔女が好む金属であるとともに、護符をつくる金属として古代から使用されている。
銀も有名である気がする。人狼を倒す銀の弾丸とか。
…ブライヴ、無理をし過ぎでは?お前こそ真のラニの従者だ。
九曜
九曜はもともとはインド占星術の概念で、七曜に、羅睺星と計都星の2つの星を加えたものである。この2つの星は、どちらも普通では見えない凶星である。実はこれらの2つの星は、どちらも普通では目に見えない凶星である。羅睺星は太陽や月を食らい “食” を起こす暗黒の星である。もちろん、現代では、食は地球もしくは月のせいだとわかっているので、羅睺星は架空の星だ。羅睺星があるとされたのは、太陽の通り道である黄道と月の通り道である白道の交差点のうち、交差点(黄道の舌に白道がもぐりこみ点)の位置である。ちなみに西洋占星術では、この点をドラゴン・テイルと呼ぶ。計都星は、不規則に天空にあらわれては人々を脅かす不吉な星とされている。これは彗星、および皆既日食の際のコロナのことらしい。計都星もまた、普段は黄道と白道の交点のうち、昇交点(黄道の上に白道があがる点)にあると考えられた。西洋占星術ではドラゴン・ヘッドと呼ぶ。また、羅睺星は黄幡神、計都星は豹尾神とも呼ばれる。
左右
地球上の多くの文化で、右は清浄であり善であり、左は穢れであり悪であるとされる。ラテン語の左(Siniser)は英語ではそのまま悪を意味する。中国では、邪悪な魔法を左道というし、ヴードゥーでは邪悪な魔法をあけることを「左手で勤めをおこなう」という。しかし、左手は魔術の手でもある。台湾のアミ族では左手は悪霊を祓う手とされ、タンザニアのゴゴ族では雨乞いなどの次式の代表にはとくに左ききの若者が選ばれる。これを「左はしばしば “劣ったもの” としての女を意味するが、昔は魔術は女の技だったからだ」とする説もある。なお、右優位の世界にあって中国は数少ない例外で、右と左どちらが優位かは時代によって二転三転した。このため左大臣は右大臣よりも偉い一方で、悪い魔術のことを左道と呼ぶようなことになったのである。
邪悪の樹
別名を「逆しまの樹」。遊女をあらわす「クリファ」の複数形。生命の樹を上下逆にしたもので、生命の樹が光の世界を象徴しているのとは対照的に暗黒の世界を象徴している。生命の樹と同様に、やはり10の球体と22の径からなっている。この球体のそれぞれの番号には、虚数を示すiがつく。球体の名前は、1i「バチカル(無神論)」、2i「エーイーリー(愚鈍)」、3i「シェリダー(拒絶)」4i「アディシュス(無感動)」、5i「アクゼリュス(残酷)」、6i「カイツール(醜悪)」、7i「ツァーカブ(色欲)」、8i「ケムダー(貪欲)」、9i「アィーアツブス(不安定)」10「キムラヌート(物質主義)」となっている。
基本的には生命の樹を参照。
邪悪と付いたり暗黒の世界を象徴していたりするが、そのものは別に悪ではなく正しく理解すれば反面教師として使えるし、解釈側次第という考え方もある。
セイズ魔術
北欧の伝統的な魔術の一種。ヴァン神族が起源という。セイズ魔術は、憑霊による予言の技術(巫術)である。この魔術をおこなう者(たいていは女性)は、神々やさまざまな霊(ヴィッテルという守護霊や先祖の祖霊)を自分の体に召喚し、その知識から予言をおこなった。術の際、巫女本人は重度のトランス状態に陥ってしまうため、この魔術には呪歌、呪文を唱える助手が不可欠であった。このような補助者の存在は、世界中の憑霊魔術にしばしばみられる特徴で、セイズ魔術は典型的なシャーマンの魔法ということができる。
フレイアを参照。
聖杯
中世ヨーロッパのアーサー王伝説に登場する聖なる杯。その器には、生命の力がつねにわきあがっていて、それを飲む者の病や傷を癒やし、永遠の命を与える。この伝説に登場する聖杯には2つの原形がある。1つは新約聖書に登場する、イエスの最後の晩餐に使われた杯。もう1つがゲルマンやケルトの神話に登場する、生命の大釜である。(中略)一方、ケルトの伝説における大釜はもっと具体的な内容をもっている。大釜とは、ケルト神話における神あるいは妖精の国にある、無限の生命を生み出す魔法の器である。ここからは絶えることなく食べ物がわきだし、この器から水または酒を飲めば、不死の生命が得られるのだ。器というのは子宮の、そして女体の象徴であり、生命を生み出すという力はここから生じている。
もはや創作物では有名所になった聖杯のケルト側の内容を押さえておく。
生命の樹
カバラにおける、宇宙(マクロコスモス)と人体(ミクロコスモス)を象徴する思想。
語源は球体を意味する「セフィラ」の複数形。ヘブライ語では「オッツ・キイム」と呼ばれる。
10個の球体(セフィラ)を22本の径(パス)でつないだもの。それぞれの球体には番号がふられ、上から順に次の名が与えられている。1:「ケテル(王冠)」
2:「コクマー(智恵)」
3:「ビナー(理解)」
4:「ケセド(慈悲)」
5:「ゲブラー(峻厳)」
6:「ティファレト(美)」
7:「ネツァク(勝利)」
8:「ホド(栄光)」
9:「イェソド(基礎)」
10:「マルクト(王国)」この10個のほかに、第11の球体として「ダアト(深淵)」を加えることもあるが、この球体は「隠された叡智」を象徴するため、明示的に表記されることはない。
なお、テケルの上部には、人間に理解しやすい順に、000「アインソフ・オウル(無限光)」、00「アインソフ(無限)」、0「アイン(無)」という3つの段階が存在する。それらはすべての原因(もと)なき原因(もと)」、すなわち神そのものをあらわしたものであり、人の言葉によっていいあらわせるものではなく、また人に感じとることのできない概念とされている。
生命の樹の10個の球体群を4つに分割し、それぞれを原形世界(オーラム・アツィルト)、創造世界(オーラム・ブリアー)、形成世界(オーラム・イェツィラー)物質世界(オーラム・アッシャー)と呼称する。また、これにはもう1つの説がある。4つの生命の樹が、それぞれマルクトとケテルの球体がかさなる形で連結されている、というものだ。そして、その生命の樹のそれぞれを原形世界、創造世界と称するのである。
生命の樹を3本の柱に見立てて、右側に位置する球体群を「慈悲の柱」、左側を「峻厳の柱」、中央を「中央の柱」と呼ぶ。
生命の樹は西洋隠秘学、とくに18世紀以降の近代魔術に対して多大な影響を与えている。その一例として、近代の西洋魔術結社の雛形となった黄金の夜明け団では、その位階制度を生命の樹になぞらえていることがあげられる。これはそのまま、魔術師としての位階をのぼるにしたがって、人間から神的存在へと進化していくことを暗示しているといえるだろう。
図的な意味が重要なので図はWikipediaとかを見てもらうのが良さそう(径も重要だったりするがそっちもまとまっている)
概念を図にするという点で、おそらくエルデンリングの意匠は大ルーンの集合なので、エルデンリングはELDEN RING版の生命の樹なのかもしれない。
中心のティファレト(美)は、色は黄で金属は金で惑星は太陽を司るらしいので、狭間の地を生命の樹で説明することは可能かもしれない。
ただ、カバラは下手に扱うと混乱するだけなのでほどほどに感がある。
ここらへんの概念を扱っている最近作品の有名所はとある魔術の禁書目録。
鋼の錬金術師で真理の扉に描かれていたのもこれだった気がするし、エヴァンゲリオンでも扱われているという話を聞いたことがある。
結構有名所の概念になってきたなという印象。
智慧の泉
北欧神話の世界樹イグドラシルの根本にあるという魔法の泉。水ではなく蜜酒でみたされており、それを口にしたものは全知を授けられるという不思議な泉で、ミミールという巨人の守護者に守られていた(このため、別名をミミールの泉ともいう)。(オーディンが目を代償にしたところは略)ミミールはこのあと、オーディンに連れ添ってミッドガルドにやってきて神々の座に列し、ほどなくおとずれるヴァン神族との講和の際に、人質としてヴァナヘイムに送られた。ミミールは、人質の神々がさも重要な存在であるかのよう、魔法でヴァン神族の面々をだます役割を似なていたが、この企みはあっさり露見。首を切られてしまう。だが、送り返されてきたミミールの首に、オーディンが防腐処置を施し、魔法の言葉を呟くと、首は再び口を開き、オーディンにさまざまな秘密を伝えたという。
おそらく、黄金樹の古い雫(琥珀)の話はここがモチーフなのだろう。
ミミールの話がモチーフの何かがもしかしたらあるかもしれない。
媚
呪術の1つ。女性の視線をもって相手を惑わす術のこと。媚道ともいう。古来、視線には魔力があるとされた。人間は己の悪行を神に見られることを恐れた。その恐れが人間の視線にまで拡大されたものであろう。さらに見られるということは、明らかにされ知られるということであり、呪術に対して無防備になることだからでもあろう。とくに女性の視線は、主に男性の心を乱し惑わす効果があるとされた。これを強化し、相手を害する域にまで到達させようとしたものが媚である。この術をおこなう巫(ふ)は、特に目を強調した化粧を施して魔力を高める。そのうえで相手を(直接見えない場所にいてもその方向を)にらみ、視線の力によって害すのである。古代の軍隊にはこの媚をおこなう巫が何人も属し、敵陣をにらみ続けたという。これは兵法の1つだったのであろう。
フレイア
北欧神話に登場する、美と愛の女神。オーディンらアサ神族とは違う、ヴァン神族の出身だった。この2つの神族は、北欧神話の神々の出自を示す系譜である。オーディン、トール、ティルなどが属するアサ神族は荒々しく戦闘的な性格を持ち、ヴァン神族は穏やかで優しい神々であった。前者は遊牧・狩猟民的な傾向を持もち、後者は農耕民的な気質を持っていたと考えていい。アサ神族とヴァン神族の2つは、それぞれミズガルズとヴァナヘイムという世界に住んでいた。両族は、世界創世からほどなくして激しく戦いあった。戦争は長く続いたが、勇猛なアサ神族は、意外にもヴァン神族の魔法(セイズ魔術)に悩まされ、苦戦を余儀なくされた。やがて一進一退の攻防が続くのに疲れた神々は、対等の条件で講和を結び、互いに人質を交換することになった。このときヴァン神族からアサ神族に送られた神々の1人が、このフレイア女神である。神々随一といわれる美貌と奔放な性格を併せ持つこの女神は、ヴァン神族に迎え入れられ、以後はその一員として認められた。彼女は、卓越した女魔法使いであり、ヴァン神族に伝わるセイズ魔術の使い手だった。オーディンは、フレイアからセイズ魔術の奥義を授けられたという。アサ神族とヴァン神族の物語は異なる神群を信仰する2つの民族が、はじめは争い、やがては融和していった経緯の寓意である。その過程では、神話とはじめとする文化の統合がおこなわれたにちがいない。双方の民の魔術の系統は、それぞれセイズ魔術、ガンド魔術として人々に伝わった。このため北欧は、憑霊と脱魂という2つの技法が共存する、世界でも珍しい地域になったのである。
ベルセルク
英語の狂戦士(バーサーカー)の語源となった、特殊な憑依状態。北欧神話のの主神、オーディンを辛棒する戦士は、戦闘に突入すると忘我の熱狂状態に陥り、自分の生命を省みない凶暴な戦いぶりを示した。彼らはオーディンの力、あるいは熊や狼といった強力な肉食獣の霊が見のうちに宿ったと信じ、まるで自分が獣そのものになったかのように暴れまわった(ベルセルクの意である「熊の皮を着た者」、あるいはベルセルクの異名であるウールフヘジン「狼の毛皮を着た者」という名称は、この様子に由来する)。この状態にある戦士は、相手の武器に傷つけられることない不死身を得、疲れを知らずに戦い続けることができたという。
ルーン
キリスト教伝来以前の、古代ゲルマン民族の多神教社会における呪術体系。木や石、道具なのに、鋭利な刃物で特定の意味を表すルーン文字を掘りつけ、その名を唱えることで神の力を得ようというものである。古代ゲルマン社会、およびヴァイキング社会では、ことばそのものに魔力があると信じられていた。ルーン文字による呪術がどのように体系化されていたかは、現在では正確に知ることができないが、発掘されあ遺跡や遺物からその断片的な力をうかがい知ることができる。ヴァイキングの遺跡から発掘される石碑には、歴史的な記録とともに、「この石碑を破壊するものには、オーディンの災いがおよぶ」といった呪文のような書き込みがある。石碑の上に小さな石が乗せられて、そこにルーンが刻まれて護符の役割を果たしているという霊もありこれは「ルーン石」と呼ばれている。(剣の刃にルーンを彫りつける部分は中略)ルーン文字は、その秘密を熟知したものが正確に刻む必要があった。間違った書き方をすると、その呪文が逆効果となってみずからに襲いかかるのである。
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